Amazon AWS——1兆ドル収益への道
モルガン・スタンレーは、AWSの算出能力規模が2025年の14GWから2035年には120GWに拡大すると予測しています。もし算出能力のマネタイズ効率が1ワットあたり12ドルに達した場合、AWSの収益は1兆ドルを突破する見込みです。事業規模の拡大に伴い、AI事業の利益率もコアクラウド事業の拡大パスに沿う可能性があり、長期的なEBIT利益率は約30%に達すると期待されています。
Amazon Web Services(AWS)の長期的な成長ポテンシャルが、Amazonの投資価値を再評価する上で重要な変数となっています。
Morgan Stanleyのアナリスト、Brian Nowakは8月16日に発表したレポートでAmazonの「オーバーウェイト」評価を維持し、目標株価は335ドルに設定、現在の株価約262ドルから約27%の上昇余地があると指摘しています。同時に、AWSが想定通りに成長を続ければ、Amazonの株価は2027年末までに500ドルに到達する可能性があります。
Amazonの経営陣は決算カンファレンスで次のように述べています。「長期的にAWSが数百億ドル規模の収益事業になると信じてきましたが、現在ではこの規模が少なくとも倍増し、年間収益1兆ドル規模となり、魅力的なフリーキャッシュフローおよび投資資本収益率を伴うと考えています。」
レポートでは、計算能力の継続的な拡大を背景に、AWSが1兆ドル規模の収益を達成するための鍵は、増分ワットごとのマネタイズ効率であると分析しています。現在、AWSのマネタイズ効率は1増分ワットあたり約8ドルで、これは2026年通年の推定値です。Morgan Stanleyは、製品のイノベーションや需給関係の変化とともに、この効率が今後さらに向上すると予想しています。
AWS1兆ドル収益への道筋:計算能力の拡大がコア要因
Morgan Stanleyの分析フレームワークは、計算能力の拡大とマネタイズ効率の向上をコアとしています。レポートでは、Amazonは2026年から2027年にかけて6〜8GW(ギガワット)の計算能力を追加し、その後年間8GWペースで拡大させ、AWSの総計算能力は2025年の約14GWから2035年には約120GWにまで増加すると予測しています。
この前提のもと、AWSの収益成長の鍵は計算能力のマネタイズ効率にあります。Morgan Stanleyの試算によれば、1ワット増加ごとの年間収益が12ドルに達すれば、AWSの収益は2035年に1兆ドルを超える見込みです。さらにマネタイズ効率が14〜15ドルまで上昇すれば、この目標は2034年にも前倒しで実現される可能性があります。
ベースシナリオでは、AWSが年間約8GWの計算能力を追加し、マネタイズ効率が1増分ワットにつき12ドルまで徐々に向上したと仮定すると、Morgan StanleyはAWSの収益が2026年の約1769億ドルから2027年には約2492億ドルへ、前年比約41%の成長を遂げると見込んでいます。これは、計算能力の拡大と1ワット当たりの収益効率の同時向上が、AWSが1兆ドル収益へ向かう主要なドライバーとなることを意味します。

利益率前提:AI事業はコアクラウド事業の歴史的軌跡を再現する可能性
利益率については、Morgan StanleyはAmazon経営陣の発言を引用し、AI事業の利益率やリターンはコアクラウド事業の初期段階と「非常に類似しており、やや先行している」とし、AWSの長期的なEBIT利益率仮定を約30%と設定しています。
この前提で、もしAWSの収益が1兆ドルに達すれば、対応するEBITは約3000億ドルとなります。加えて小売事業による適正な利益貢献を考慮すると、Morgan Stanleyは2034年から2036年の間にAmazon全社EBITが約5000億ドルに達する可能性があり、年平均成長率(CAGR)はおおよそ16〜20%になると予想しています。
具体的には、1増分ワットあたり14ドルのケースでは、AWSのEBITは2034年に約3040億ドル、全社EBITは4830億ドル、CAGRは約19%。1ワットあたり15ドルになると、AWS EBITと全社 EBITはそれぞれ約3180億ドルと4970億ドル、CAGRは約20%となります。
バリュエーションの再構築:現在の株価は同業他社比で約50%のディスカウント
Morgan Stanleyは、Amazonの現行株価は上述した長期的な収益潜在力を十分に反映していないと見ています。レポートは、もし10%の加重平均資本コスト(WACC)で約5000億ドルの長期EBITを2028年に現在価値へ割引き、約21倍のEV/EBITバリュエーションで資本化した場合、2027年末のAmazonの暗示的株価は約500ドルとなります。このバリュエーション倍率は同業他社平均23倍と比べ、約10%低い水準です。
別の視点では、Amazonの現行バリュエーションは、10% WACCで2028年まで割引いた2035年予想EBIT(約2650億ドル)の約11倍相当であり、超大規模クラウドおよび小売の同業他社――Alphabet、Microsoft、Meta、Walmart、Costco、Netflix――の平均約23倍と比べて約50%低くなっています。
Morgan Stanleyは、このバリュエーションディスカウント自体がAmazonのさらなる上昇余地を示していると指摘。AWS収益の予想を超える成長、利益率の継続的な拡大、小売事業の成長および物流・履行コスト改善によるレバレッジ効果などが、さらなる株価上昇をもたらす可能性があると述べています。
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